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選抜前打ち決戦2007 (2007/9/23)の詳細

開催地 大阪南港・新日鉄 
AM6:00〜AM11:00


選手紹介
2チーム参加選手6名(順不同・敬称略) ※名前の後の( )は出場回数初は初出場
チーム関西 左より
沖 洋/潮友会 (初)

鷲津 雅三 /黒鷲会 (初)
川辺 優/チーム 銀とと (初)
チーム北陸 左より
見崎 順一/金沢茅渟研究会 (初)

荒磯 克己 /金沢茅渟研究会 (初)
渋谷 充/金沢茅渟研究会 (初)


2007年9月23日(日)、石川県の金子登美雄氏(石川県釣り団体協議会・会長)の長年の夢であった、「前打ち釣り師の晴れ舞台」として、北陸地区、関西地区の対抗戦として初めて開催された。両地区の選考大会を勝ち抜いてきた、自他共に認める実力者6名が地域の威信をかけて、「前打ちの聖地」と呼ばれている「大阪南港・新日鉄」においてぶつかった。

当日は、朝から「丸高渡船」の協力の元、決勝の舞台「新日鉄」を一般の釣り客をシャットアウトし、選抜選手のみの会場となった。いやがおうにも緊張感が高まってくる。また、地元開催となった「チーム関西」の三選手には、相当のプレッシャーがかかっているように見えた。「水が透けている・・・」と、「チーム関西」の鷲津キャプテンがつぶやいた。そう、ここ新日鉄は水深が浅いため、潮が澄んでしまうと、チヌが口を使わなくなり、テトラの穴の奥深くに潜ってしまう。極端に警戒するのだ。渡提後、「チーム北陸」はテトラと、石畳の両方を攻め始めた。一方、地元「チーム関西」の三選手は、勝手知ったるポイントのため透け具合から判断し、全員テトラの際、竿下の穴狙いのようだ。沈黙の長い時間が経過した。「アタリがない・・・。風でも吹いてくれればいいんですけど・・・」。ここ「新日鉄」をホームグランドにしている沖選手も、お手上げ状態。そんな時、川筋・石畳を攻めていた「チーム北陸」が竿を曲げた。あまり大きくなさそうだが、値千金のアタリを捕らえた。しかしヒレが黄色い、「キビレか・・・」。落胆の北陸勢。時間だけが無用に過ぎていく。とうとう、選手全員チヌアタリがなく、規定の時間となった。

渡船店に帰り、実行委員による緊急会議が開かれた。「選手の疲れを考え、このまま両者引き分けにするか・・・」。その時、金子実行委員が口を開いた。「私達北陸勢はこの日を夢みて、選考大会以降がんばってきた。北陸の前打ちの灯を消さないためにも、白黒つけていただきたい・・・」。その発言により、「延長戦」が決定した。場所もとことん「前打ちの聖地・新日鉄」にこだわりたいという事で、「2時より開催する」と両キャプテンに報告があった。

昼休憩の後、選手6名が渡船に乗り込んだ。「各選手は、モチベーションを維持できているのか?」、そんな心配もあったが、一人ひとりの顔が朝より真剣モードになっている。まさに決戦の舞台が整った。朝と違い、北西の風が吹き出して少し肌寒く感じるが、濁りも回っている。最終決戦のゴングがなった。
魚が出そうな雰囲気の中、まず抜きんでたのが、北陸・渋谷選手。北向き川筋テトラで、チヌをかけた。40cmクラスの良型だ。それを合図に西向きテトラで、関西の鷲津選手が45クラスをとった。同時刻に本命・関西の沖選手が、47cmをゲットした。パターンを見抜いた沖選手が、続けて30cmクラスをヒットする。そして、終了30分前に北陸・荒磯選手が意地の40クラスを釣り上げた。重量勝負なので、北陸勢に良型があと一枚くれば勝負はわからない。納竿ぎりぎりまで、各選手はしのぎを削った。戦い終わって、帰りの船の中では選手に安堵の表情が戻った。疲れ果てて、精も根も尽きはてた表情が印象的だった。

表彰式では、地元「チーム関西」が初優勝をとげたが、下見釣行も満足に出来ず、最後まで勝負を捨てなかった北陸勢の、晴れ晴れとした顔がやけに目立った、第一回目の大会だった。



団体戦、個人戦ともに、30cm以上のクロダイの総重量で競われました。

団体の部
順位 チーム名 重量 釣果枚数
優勝 チーム関西 4528g 3枚
2位 チーム北陸 2270g 2枚


個人の部
順位 名前 重量 釣果枚数・最長寸
優勝 沖 洋 2613g 2枚 47.5cm
2位 鷲津 雅三 1915g 1枚 46.3cm
3位 荒磯 克己 1185g 1枚 41cm
4位 渋谷 充 1085g 1枚 40cm



団体優勝のチーム関西へ、トロフィの授与。初代チャンピオン達の満面の笑み
左より、川辺選手、鷲津選手、沖選手

チーム関西優勝コメント
鷲津選手のコメント

第1回目の前打ち決選は、地元大阪での開催となり、かなりのプレッシャーでした。競技が開始したものの北寄りの風で潮は澄み、チヌは全く口を使わず、全員まさかのノーフィッシュ!で午後から仕切り直しとなりました(延長戦)。
風向きは西寄りに変わり、海面はざわつき、濁りも出ていい感じになってきました。しかし、チヌはテトラの外には出ていないようなので、さくら貝で穴を集中的に狙い、なんとか1尾目となる
46pをゲットできました。その後、ヒットさせるもラインブレークで追加は出来ませんでした。
結局「チーム大阪」はサイズに恵まれ、総重量
4,528gで勝利を収めることができました。今回の大会参加によりすばらしい経験ができました。「チーム北陸」のみなさんお疲れ様でした。運営いただいたスタッフの方々には感謝です。

沖選手のコメント

記念すべき「選抜前打ち決戦」第1回目とあって、しかも決勝会場が「南港・新日鉄」と聞いた時、負けられないというプレッシャーがあった。私が「前打ち」を覚えた新日鉄へは、毎週の様に通いつめポイントを確認した。
いざ決勝当日は朝から北風が吹き、穴の底がまる見えの状態で潮が澄んでいた。「この色は・・・」悪い予感が頭をよぎる。6時からスタートし、11時の終了まであの手、この手を駆使してがんばったが、両チーム共、ノーフィッシュに終わった。
延長戦が1時30分から始まり、早々に北陸・渋谷選手に40cmをゲットされ、その後、関西・鷲津選手に46.3cmを取り込まれた時は焦り、これで終わりかなと思ったが、もうひと勝負かけようと自分を奮い立たせた。新日鉄中央の「トーフ」より北側にて、潮が当たっている面の、4.5mの竿下の穴へ仕掛けを流し込んだ時、1m位の上層で待望のアタリ。47.5cmをどうにか取った。4時頃33cmを追加し、5時の終了までに2匹を揃えて、「チーム関西」の優勝に貢献できて良かった。又、「個人戦の部」も勝ち取る事ができた。
非常に大きなプレッシャーがかかった第1回の大会で、地元関西が優勝できてホッとしました。

川辺(かわなべ)選手のコメント

前打ち大会での上位入賞により、幸運にも初回前打ち決選に出場することができました。
大会当日の延長戦である午後からは、濁りが出てなかなかいい雰囲気になってきましたが、残念ながら釣果には恵まれませんでした。今後は、澄み潮や風向きが良くないなどの悪条件下でも確実にアタリが出せるようスキルアップを図りたいと思います。普段はあまり交流機会がない他の地域の方々と交流を深めることができ、すばらしい大会となりました。チャンスがあれば、もう一度出場したいです。


大会風景

真剣に検寸する大会関係者 延長戦時、待望のアタリをとらえ竿を曲げる沖選手